メダカの卵を見つけたら正しく採取(回収)しよう

メダカの卵

このページでわかること

  • メダカの卵の採取方法
  • 無精卵と有精卵の見分け方と注意点
  • 採取の際に気を付けること
  • 親メダカについて
  • メダカの卵の飼育に適している水

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メダカは毎年春から秋にかけて卵を産みます。
繁殖期には、健康なメスだと毎日、数粒~30粒ほどの卵を産み続けます。

産卵後、しっかりと受精した卵は細胞分裂を繰り返し、水温にもよりますが約2週間程で孵ります。

しかし、卵をそのまま親メダカの居る水槽においておくと、せっかく孵った稚魚も親メダカ達にエサと間違われて食べられてしまいます。
そうならないためにも、産卵されたメダカの卵を見つけたら別の容器に移動させて隔離する必要があります。

元気なメダカを孵化させるため、産卵後の正しい卵の採取方法とタイミングを知っておきましょう。

メダカの卵を指でつまんで移動させる

水槽に水草(アナカリスやホテイソウ等)を入れている場合、親メダカは水草や浮き草の根っこに卵を産み付けます。
そのタイミングで、卵がくっついている水草を見つけたら水槽から取り出し、指でつまんで別の容器に移す方法が最も簡単です。

卵が付いた水草をそのままにしておくと、親や他のメダカに卵を食べられてしまいます。
見つけたタイミングですぐに卵を取りましょう。

メダカの卵

メダカの卵の色は透明で、塊になってくっついています。
そしてメダカの卵は私達が思っている以上に実は頑丈で、指先でつまんだ程度では潰れません。
指先でつまんでコロコロと転がしてみると分かりますが、弾力もあって丈夫なのです。

メダカの卵はとても小さいが指先でつまめる程固い

特別な道具を準備することもなく、ただ単に指でつまんで卵を回収することが出来る手軽さも、メダカの繁殖をお手軽に行うことができる理由の一つではないでしょうか。

無精卵と有精卵の見分け方と注意点

産み付けられたメダカの卵は、簡単に無精卵と有精卵の違いを見分けすることができます。

見分け方のポイントとしては2つあります。

  • メダカの卵の色
  • 触った時の弾力
無精卵 有精卵
卵の色 白く濁っている 透明
弾力 柔らかく、簡単に潰れる 弾力がある

目視だけでも見分けすることができますが、指先でつまんで採取する際に無精卵は弾力がなく柔らかく潰れてしまうため簡単に判別が付きます。

気を付けなければいけないこととして、無精卵はそのまま放置しておくと腐敗が進みカビが発生します。
そのため無精卵を見つけた際には、そのままにしておかず、早めに取り除いて水質悪化を防ぎましょう。

メダカの卵を水草ごと移動させる

メダカの卵と水草

メダカが水草に産卵したことを確認したら、その水草ごと別容器に移動させる方法も簡単でお手軽です。
その際には、卵を落とさないよう、水草ごとそっと取り出しましょう。

別容器に移した水草は、稚魚が孵った後も稚魚の隠れ家であったり、光合成によって酸素を出したりと、稚魚にとって重要な役割を果たします。

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卵をつけた親メダカを別容器に移す

水槽に水草を入れていない場合はこの方法で卵を回収します。
親メダカは卵を産んでしばらくは、体に卵を付着させたままにして泳いでいますが、これを利用するわけです。

メダカの産卵

卵を体に付着させている親メダカを見つけたらアミ等で親メダカを取り、飼育している水槽の水をそのまま利用した別容器にそっと移動させます。
そして、しばらくして親メダカが卵を水底に放したり、別容器に入れておいた水草に卵を擦り付けたのを確認して、親メダカを元の水槽に戻します。

似たような方法として、体に卵を付着させた親メダカをアミで掬い上げ、卵だけを採取して親メダカを元に戻す方法もあります。
しかし、この方法は親メダカを傷つけない様に細心の注意を払って行う必要があります。
間違っても親メダカのお腹等をつままないように気をつけてください。

メダカの卵の飼育水は水道水が一番?

メダカの卵は通常透明ですが、水質の悪い環境では白い濁った卵(無精卵)になってしまい、水カビも生えてしまいます。
そこで、別容器に移した卵に適している水は、実は水道水が一番良いという話があります。

水道水のイラスト

メダカの卵の飼育において、水道水が最も適しているとされています。水道水は、日本の水道法に基づいて衛生的に管理され、安全性が保証されているため、飼育水として使用する際には信頼性が高いです。

ただし、水道水には塩素が添加されているため、そのまま使用するとメダカの卵や幼魚に悪影響を与える可能性があります。この問題を解決するために、水道水を容器に入れ、1日程度放置して自然に塩素を抜くことが推奨されています。塩素が抜けた水道水は、メダカの卵や幼魚に適した飼育水となります。

また、水道水は硬度が適度であり、メダカの成長に適した環境を提供できます。硬度が高すぎると、卵の殻が固くなり孵化が難しくなることがあります。逆に、硬度が低すぎると、卵や幼魚の成長が阻害されることがあります。

水道水を使用する際には、水温も注意が必要です。メダカの卵は、20~28℃の水温が最適とされています。水道水の温度がこの範囲にあることを確認し、必要に応じて調整してください。

飼育水として水道水を使用する場合、定期的な水換えも重要です。水質が悪化すると、卵や幼魚の健康に悪影響を与えることがあります。水換えは週に1~2回程度を目安に行い、常に清潔で安定した水環境を維持してください。

総じて、メダカの卵の飼育水には水道水が最適であり、適切な塩素処理や水温調整、定期的な水換えを行うことで、卵から幼魚への成長をサポートできます。

メダカの卵が孵化するまで観察しよう

回収したメダカの卵は、受精が適切に完了していれば、日々その姿を変えていきます。これは、卵の中で発生が進行し、新たな生命が成長していく様子を観察することができるからです。

メダカの孵化

最初の3~4日で、目が形成され、体の輪郭が見え始めます。その後、稚魚の体の中に流れる血液も確認できるようになります。孵化が近づくと、卵の中で活発に動き回る様子が観察できます。そして、通常約14日前後で孵化が始まりますが、孵化期間は水温や環境によって多少前後することがあります。

メダカの卵の孵化過程を子どもたちと一緒に観察することは、生命の誕生と成長について学ぶ素晴らしい機会です。子どもたちにとって、この観察は自然界の驚異を実感できる貴重な体験となります。また、孵化後の幼魚の世話を通して、生物の成長や環境への適応についても学ぶことができます。

観察の際は、適切な温度や飼育水の管理、卵や稚魚へのストレスを最小限に抑えるための取り扱いに注意しましょう。また、孵化後のメダカには、適切な餌を与え、水質管理を行い、健康な成長をサポートしてください。これらの注意点を守りながら、メダカの卵から孵化するまでの過程を観察し、生命の神秘を共に学んでいくことができます。