メダカの暮らしを知る

メダカの暮らし

このページでわかること

  • メダカの生活リズム
  • メダカの住みか
  • メダカの冬眠
  • メダカの縄張り意識
  • メダカの成長

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昔から私達の身近に存在していたメダカ。
しかし、その生態や暮らしを知っているという方は、じつはそれ程多くはありません。

この記事の中では、そんなメダカの知られざる暮らしについて説明しています。

メダカの生活リズムは人間と同じ

メダカは人間と同じく太陽とともに寝起きする生き物です。
太陽が沈めば眠りにつき、太陽が昇ると同時に動き始め、エサを食べてメスであれば産卵して1日を過ごします。
そして、日が暮れて辺りが暗くなると、メダカも眠りにつくのです。

メダカにはまぶたが無いので、眠っていても寝ているようには見えませんが、しっかりと眠りについています。
動きも遅くなり、水中に漂いながら眠っているのです。

メダカが緩やかな流れの川や池、田んぼや沼を好んで生息している理由の一つとして、眠っている間に流されてしまう危険性が低いということが挙げられます。

メダカは池や沼・河川に住んでいる

メダカの住みかといえば、最初に連想するのが「田んぼ」ではないでしょうか。

もちろん、メダカの住みかとして田んぼは適しており、昔ながらの原風景が広がる里山の水田等では、今でも多くの野生のメダカを見かけることができます。

田んぼ以外では、日本各地の池や沼、流れの緩やかな河川などの淡水域にメダカを見ることができます。
特にメダカを多く見ることができるのが、流れの緩やかな、陽だまりの中に水草が生えているような場所です。
コンクリートで護岸されていない、土と水草、苔のある場所に好んで生息するため、田んぼに通じる昔ながらの水路でも確認することができます。

メダカは他の淡水魚よりも塩分に対する耐性が強いので、海や湖が近い河川下流域でも見られることもあります。

メダカは冬眠して冬を越す

メダカについてあまり知られていないのが、メダカの冬眠でしょう。

野生のメダカは40度近い水温にも耐えますが、氷が張ってしまうほど冷たくなった水の中の環境でも生きていけるのです。

しかし、氷が張ってしまう程の寒さの中では、メダカは殆ど動かず、エサも食べずに水の底でじっと春を待ちます。
一種の仮死状態になることで、冬の寒さを耐えて冬を越すのです。

屋外で飼育しているメダカも、水温が5度以下になると冬眠状態になります。
そして、春になって水温が暖かくなってくると、また活発に動き出します。

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メダカにも縄張り意識がある

メダカの喧嘩

本来、メダカは一匹で行動するのではなく群れをなして泳ぐ魚です。
これは、仲間を見つけると近づく習性があるためです。
この「群れをなす」姿が、童話で「メダカの学校は・・・」とイメージして歌われたのでしょう。

そして、池や田んぼで泳いでいるメダカ、すなわち自然界に生きるメダカには、縄張り行動はあまり見られません。
しかし、数を多く入れた水槽等の狭い空間で飼育されているメダカには、喧嘩や小競り合いといった争い行動がよく見られます。

この縄張り行動では、メダカ同士がつつき合っていたり、一方が追い掛け回すという行動が見られます。
こういった行動で弱いメダカが死んでしまうのでは?という心配が出てきますが、メダカは相手を死なせてしまう程の攻撃性はもっていないので、心配することはありません。

また、メダカの群れはその種類によって作られているものではないので、水槽に入れるメダカの種類に気をつける必要も無いでしょう。

ただし、アルビノメダカの稚魚は生まれつき視力が弱く、他の稚魚にえさをとられてしまいます。
アルビノメダカを繁殖させるのなら、稚魚は別の容器に移して育てるようにしましょう。

メダカは生まれてから3ヶ月で成魚になる

卵から生まれたばかりのメダカは、髪の毛の先程の大きさしかなく、非常に小さくて目で見るのもやっとです。
その後、針の太さほどの「針子」となり、3ヶ月程で大人となります。

メスも3ヶ月目から産卵が可能になり、毎日少しずつ卵を産み始めます。
水草等に産み付けられた卵は、決して一斉に孵化(ふか)はしません。
少しずつ、時期をずらして孵化していくのです。

これは子孫を残すためのメダカの中に組み込まれた遺伝子がそうさせるのであって、生きるための知恵でもあるのです。

孵化から1日~3日

卵から孵化したばかりの稚魚は、生まれてから3日くらいまでは何も口にしません。
しかし、生まれた際にお腹の中に栄養が蓄えられた袋を持っており、しばらくはその中の栄養素で育つことになります。

そして、3日後からエサを食べるようになり、食欲も旺盛になっていきます。
しかし、この時期にしっかりとエサを食べることができないと、稚魚は弱って死んでしまいます。

孵化から7日~14日

孵化から1週間程で、髪の毛ほどの大きさだった稚魚も、針の先程の大きさになります。
針の様に小さいということで、この時期の稚魚は「針子」と呼ばれています。

そして、孵化から約2週間(14日程度)が経過すれば、稚魚を育てる上で最難関は突破したといえます。

個体差もありますが、弱い固体はこの時点で死んでしまいます。
強い固体はどんどんとエサを食べていくのですが、泳ぎが下手だったり、エサを取るのが上手くない稚魚は、この時点で脱落していくのです。

残念ではありますが、自然界ではその姿が自然であり、難しい言い方を使うとすれば「自然淘汰(しぜんとうた)」されていくタイミングでもあるのです。

孵化から1ヶ月~3ヶ月

孵化から1ヶ月もすると、姿形もメダカらしくなってきます。
また、食欲もさらに旺盛になり、どんどんと成長していきます。
そして、3ヶ月もすれば、オスはオスらしく、メスはメスらしい体つきとなり、繁殖も可能となるのです。